会長 西本 隆
医療法人社団岐黄会西本クリニック
本年度の日本東洋医学会関西支部例会のテーマは、「東洋医学切磋琢磨」です。
日進月歩の現代医学の中に身をおく我々は、東洋医学の場においても、常に前進する姿勢が求められています。漢方の、あるいは鍼灸や生薬の専門家として、これまでのように「内経素問に、本草経に、傷寒論の条文にこう書かれていた」というだけで物事が完結する世界ではなく、東洋医学のすばらしい成果を、いかに現代医学の従事者達に説明できるか、患者さんに納得してもらえるか、そして、後世に残していくことができるかが問われる時代になりました。そのためには、東洋医学を学ぶ医師・鍼灸師・薬剤師がお互いに切磋琢磨して、自分たちを高めあうことが必要であると確信しています。
今回のプログラムにも、このような「医・鍼・薬」の総合医療を反映させました。
特別講演には、5年前に東日本大震災を経験され、震災後の混乱の中で東洋医学診療を実践された東北大学の高山真先生をお呼びしました。阪神淡路大震災を経験した我々にとっても、高山先生が災害医療に漢方や鍼灸を大いに活用された経験は、大いに教えられるものがあると思います。また、教育講演では、愛媛の山岡傳一郎先生に、経穴や経絡の反応を漢方治療にどのように生かせるか、という興味深いお話をしていただき、また、吉岡孝麿先生には、薬剤師の立場から漢方の生かし方についてお話をいただきます。さらに、ランチョンセミナーでは、いまや日本の漢方界の指導的立場に立たれている、加島雅之、牧野利明両先生に、それぞれ、臨床にすぐに役に立つお話をお願いしています。
また、各分野において最新の話題を提供するコーナーやさまざまな一般演題なども興味津々です。
どうぞ、10月23日の日曜日、ポートアイランドの美しいキャンバスにお集まりください。
そして、皆で切磋琢磨する1日を作りましょう。